トラペジウムが魅せる高山一実という人間
はじめに
1月10日、前日に読み終わった『神酒クリニックで乾杯を』の続編を買いに蔦屋書店へ足を運んだ。
正面口の自動ドアをくぐり、検索機に向かおうとする。
しかし、私はドア前で足を止めた
坂道人気に便乗して置いてある関連雑誌棚、乃木坂の井上や北野、欅坂の写真集の中に混ざって正面にあの『トラペジウム』があるではないか!
思わず二度見をしてから落ち着きを取り戻しあたかも赤本を手に取る受験生かのように堂々と『トラペジウム』を手にした。
となりの爺さんの視線が痛い
というわけで、『トラペジウム』を購入。
翌日、早速読み始めました!
(画像が小ちゃくてスイマセン)
まず驚いたのは普段とのギャップ
普段というのは、乃木坂での高山一実さんを指す
乃木オタである私からすると、あのかずみんがこれを書いたのか!?というシーンが多々見受けられた
『東ゆう』という主人公視点のためなのか、いきなりはじめのシーンで度肝を抜かされた
次にストーリーについて
今作、『トラペジウム』はアイドルになりたい少女の物語
夢であるアイドルを追い、その為に自分を律し、仲間を集めた先に待つ未来は……
さすが現役アイドルだな
生意気だがこの通りではないだろうか
これまで彼女が培ってきた乃木坂というアイドルと今思う理想的なアイドル像
この二つが組み合わさっていた作品
夢を追っても現実では叶わないという話はよくあるが
これは現実という非情な世界を描きながらも夢を追うことの大切さを教えてくれた
さらに注目して欲しいのは言葉の選び方、遊ばせ方
これは芥川賞作家の羽田圭介さんも絶賛しており、私も読んで納得した
タイトルにある通り、この言葉一つひとつが『高山一実』を表現しているのだと。
今の小説は当然、昔のように方苦しいような書き方ではなく、今生きる人たちに向けた書き方だが、その中でも年代によって読み易さが変わってくるだろう
高山一実の書き方は、言葉で表すならバラエティに富んだ書き方だ。
『ただ小説が好きで作家一筋で作りました!』
というような書き方ではない。
自らがテレビに出演するアイドルという身であるがゆえ『角膜レベルの変態』や『ゲッツ』など普通の作家さんでは辿り着けないような表現方法に行き着くのだと思う
この本の内容とも合致するが今時、アイドルが○○しました、と言っても関心を示すのはそのアイドルのファンか、○○のファンであろう
だが、小説は各人の人生の色を魅せる
それが普段、小説家と縁もないような職であればなおさらだ
これを今回特に思い知らされた。
もし、いつか高山一実が小説をまた出版するのなら是非アイドル以外のジャンルも書いて欲しい
その中でも彼女の個性が出てくればいいなと心から願っている
今後もアイドルとしても小説家としても活躍の幅を広げていってもらいたい
そして、このブログを読んで少しでも気になった方は1月10日に再出版されてるの是非とも手にとって欲しい